UPS（無停電電源装置）の故障原因を解析するのが私の仕事です。UPSとはコンピュータなどへの電源供給を安定させて、停電リスクに備える装置です。メーカーの委託をうけ、エラーが出ているUPSの故障原因は何か調べます。
調子の悪いUPSがお客様から送られてきて、まずは開けてみる。部品が外れている、サビが出ているなどその段階で見てわかるものもありますが、ほとんどはその時点ではわかりません。過去の症例データベースとお客さんから聞いた症状を照らし合わせたり、テスト用の機器につないで実験しながら不具合の原因を特定していきます。
一番多いケースは「バッテリーの劣化で動かなくなる」ことですね。テスターで電圧低下や内部抵抗値の数値を見て確認しますけど、もうバッテリーが膨らんじゃって一目瞭然のこともあります。携帯電話やゲーム機でもありますよね。ただ「バッテリーが悪くなっている」ことだけじゃなく「バッテリー以外は正常である」ことも確かめないといけません。バッテリーを交換して、動作確認して本体には異常がないことを確認して報告書を作る。これが一連の流れです。
自分が担当するのは修理ではなく故障原因の解明です。なので、一番困るのは急に不具合が治っちゃって、二度と同じ症状が再現しないこと。最終的に「調査中に原因が消滅」とレポートすることもありますけど、そのまま返送は怖いですね。
原因がわかったり治ったりするのは面白いなといつも思います。不具合原因のアタリをつけられるのも徐々に増えてきて、それも嬉しい部分。だんだん自分のなかでわかってきたと感じてます。